お祝いの歌人物伝
はじまりのウタ 「かぎやで風」 その1
みなさんは「かぎやで風」を知っていますか?
「かぎやで風」は沖縄の古典音楽の代表的な歌で、お祝いごとがあるときにこの歌にあわせて踊りが披露されます。
この歌は琉球王朝時代に生まれたもので、ゆったりと荘厳な雰囲気の歌なのですが、ただきいているだけだと「う〜〜」とか「あ〜〜」とかいっているだけで正直ねむくなりそうという人もいるはず。(昔は私もそう思ってました)
だけど、この「かぎやで風」じつはかなり奥深く、おもしろい歌なのです。
今日はかぎやで風のものがたりを語っていきましょう。
今歌われている「かぎやで風」の歌詞は
きゆぬふくらしゃや (今日の嬉しさは)
なうにじゃなたてぃる (何にたとえようか)
ちぶでぃうるはなぬ (つぼんでいた花が)
ちゆちゃたぐとぅ (露を受けて開いたかのようだ)
というものです。
さて、この琉歌にはこんな伝説があります。
時は16世紀。第二尚氏王統の第4代目の王様 尚清王は重い病気にかかり、死期が近づいていました。
そこで、王は三司官(3人の行政の最高責任者)を呼んで、こういいました。
「私の命は尽きようとしている。そこで3人に頼みがある。我が長男の尚元を王とし、3人で尚元を助け、国家の安泰を保ってくれ。」
この言葉を残して尚清王は亡くなりました。
しかし、3人のうち2人は王様の遺言を破り、異母弟の尚鑑心を支持します。これには理由がありました。
尚元はチーグー(唖者。口がきけないこと)だったのです。2人の大臣はそんな人を王にできないと考えたのでした。
ただ1人尚清王の遺言を守ったのは大新城親方安基(うふあらぐすくうぇーかたあんき)だけでした。
しかし、どうみても状況は不利です。
大新城は尚元の前で土下座をしていいました。
「お願いでございます。何かひと言でもおっしゃってください。もし、いわれないのなら、私は今ここで切腹して、先代の王にお詫びします。」
そして、大新城は小刀で腹を切ろうとしたまさにその時、
「まて、大新城。」
なんと、尚元は言葉を話されたのです。
これを聞いた大新城は大喜び。その嬉しさから詠んだ歌がさきほどの琉歌です。
その後、尚元は話せるようになり、王の位に着きました。
いかがでしたか?
お祝いの時に何気なく聞いていた歌も、深く知るとより良いものに聞こえるでしょう。
今後もこのようにいろいろな琉歌とものがたりを語っていきます。
では、「かぎやで風」のお話はおしまい。
と思いきや、まだまだあります!
じつはこの歌もっと深いのです。
続きは次回に。
今度は国頭村まで取材してきます!
「かぎやで風」は沖縄の古典音楽の代表的な歌で、お祝いごとがあるときにこの歌にあわせて踊りが披露されます。
この歌は琉球王朝時代に生まれたもので、ゆったりと荘厳な雰囲気の歌なのですが、ただきいているだけだと「う〜〜」とか「あ〜〜」とかいっているだけで正直ねむくなりそうという人もいるはず。(昔は私もそう思ってました)
だけど、この「かぎやで風」じつはかなり奥深く、おもしろい歌なのです。
今日はかぎやで風のものがたりを語っていきましょう。
今歌われている「かぎやで風」の歌詞は
きゆぬふくらしゃや (今日の嬉しさは)
なうにじゃなたてぃる (何にたとえようか)
ちぶでぃうるはなぬ (つぼんでいた花が)
ちゆちゃたぐとぅ (露を受けて開いたかのようだ)
というものです。
さて、この琉歌にはこんな伝説があります。
時は16世紀。第二尚氏王統の第4代目の王様 尚清王は重い病気にかかり、死期が近づいていました。
そこで、王は三司官(3人の行政の最高責任者)を呼んで、こういいました。
「私の命は尽きようとしている。そこで3人に頼みがある。我が長男の尚元を王とし、3人で尚元を助け、国家の安泰を保ってくれ。」
この言葉を残して尚清王は亡くなりました。
しかし、3人のうち2人は王様の遺言を破り、異母弟の尚鑑心を支持します。これには理由がありました。
尚元はチーグー(唖者。口がきけないこと)だったのです。2人の大臣はそんな人を王にできないと考えたのでした。
ただ1人尚清王の遺言を守ったのは大新城親方安基(うふあらぐすくうぇーかたあんき)だけでした。
しかし、どうみても状況は不利です。
大新城は尚元の前で土下座をしていいました。
「お願いでございます。何かひと言でもおっしゃってください。もし、いわれないのなら、私は今ここで切腹して、先代の王にお詫びします。」
そして、大新城は小刀で腹を切ろうとしたまさにその時、
「まて、大新城。」
なんと、尚元は言葉を話されたのです。
これを聞いた大新城は大喜び。その嬉しさから詠んだ歌がさきほどの琉歌です。
その後、尚元は話せるようになり、王の位に着きました。
いかがでしたか?
お祝いの時に何気なく聞いていた歌も、深く知るとより良いものに聞こえるでしょう。
今後もこのようにいろいろな琉歌とものがたりを語っていきます。
では、「かぎやで風」のお話はおしまい。
と思いきや、まだまだあります!
じつはこの歌もっと深いのです。
続きは次回に。
今度は国頭村まで取材してきます!