令和の木曳式 その2 国頭サバクイ

河合えの

2023年11月04日 08:45

お久しぶりです。えのです。
去年11月の令和の木遣式 から、一年もたってしまいました。
日々の雑事でついついここまで来てしまいました。
すみません。

さて、今回は令和の小曳式でも用いられた歌「国頭サバクイ」についてお話したいと思います。
「国頭サバクイ」は琉歌の中の「木遣り」というジャンルになります。
「木遣り」というのは、山から材木となる木を切り出して運ぶときに歌われる歌のことです。
沖縄では結構珍しいようで、この「国頭サバクイ」と与那国島に残っているものしかないようです。
文献によって細かな違いはありますが、今回は国頭村奥間の国頭サバクイの歌碑の歌詞を載せます。

サー 国頭(くんじゃん)サバクイ *ユイシーユイシー 
サー 酒飲み(さきのみ)サバクイ ※ハイルレー ハーラーレー ユサ ハリガユイササ

サー国頭山(くんじゃんやま)から * 
サー出(い)ざちゃる御材木(うぜむく)※

サー北(にし)ぬ御殿(うどぅん)ぬ * 
サー御材木(うぜむく)だやびる ※

サー長尾山樫木(なごやまかしち)や *
サー重(うむ)さぬひからん ※

サー老(お)いで若(わか)さん *
サー皆(んな)肝(ちむ)あわちょてぃ ※

サー鏡地浜(かかんじばま)から *
サー載(ぬ)したる御材木(うぜむく) ※

サー北(にし)ぬ御殿(うどぅん)ぬ *
サー御材木(うぜむく)だやびる ※

ハリガラーエーイ エイサーエーイ
 

国頭村奥間で伝わっている話によると、「サバクイ」というのは琉球王朝時代に国頭の山を管理していた地方役人の役職名だそうで、首里城の北の御殿の落成祝いの時に国頭の役人たちが披露する芸がなくて困っていたときに、サバクイが機転を効かせて歌に合わせて材木の切り出しや運ぶ仕草を演じたものと言われているようです。
なお、国頭村奥間の「道の駅 ゆいゆい国頭」の駐車場の近くには「国頭サバクイ」の歌碑もあるので、ぜひ訪れてみるのもいいと思います。





今回は「国頭サバクイ」のお話でした。
素朴な歌ですが、労働歌ならではの力強さやみんなで楽しく力を合わせてひとつのことをやる気持ちよさを感じることができます。

首里城も着々と復興が進んできています。
是非これを機会にいろいろと見たり、聞いたりしてみてください。

今回から詳しく知りたい人のために、最後の方に参考文献などを載せておきます。是非ご覧下さい。
また、今まで載せた記事の参考文献も随時更新予定です。お楽しみに。

それではまた。

参考文献
「南東歌謡大成 II 沖縄篇下」外間守善 角川書店
「琉球文学体系11 琉歌 上」波照間永吉 平良徹也 照屋理 ゆまに書房
「ーロマンをもとめてー 琉歌の里めぐり」青山洋二 郷土出版

YouTube
沖縄県文化協会 「沖縄の伝統芸能 国頭サバクイ」 
リュウカツチュウ 琉球芸能活動中 「国頭サバクイ 首里城はここから始まった?琉球の一大プロジェクトを歌った名曲【沖縄の歌】」
元ちゃんねる 「【首里城復興記念】民謡「国頭さばくい」の真実!?」


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