お久しぶりです!
仕事も3月で終わり、のんびりマタニティライフを送っています。
安定期にも入り、今のうちにいろいろなところに行こうと思っていましたが・・・
なんと!沖縄ではしかが大流行!!観光地や人の多いところに行けなくなってしまいました(泣)
取材したかったのに!
まあ、気を取り直して。
今日は「はしか」とかけまして、「感染症」の歌を紹介します。
そもそも「感染症」の歌なんてあるの?と不思議に思われますよね?
あるんですよ。それには昔の沖縄の人の病気に対する考え方があったからなんです。
それでは、ものがたりをはじめましょう。
昔の沖縄の人たちの怖い感染症のひとつに「天然痘」がありました。
「天然痘」は天然痘ウイルスによる感染症で、非常に強い感染力があり、高熱と発疹が出ます。
さらに、発疹は化膿して膿になり、治ったとしても跡が残ります。
今はワクチンが発明されて、1980年にWHOが地球上からの天然痘撲滅宣言を出してからは感染者は出ていませんが、それまでは致死率が20〜50パーセントという恐ろしい病気でした。
高い致死率と治ったとしても醜い跡が残る天然痘を沖縄の人たちも恐れました。
なんとかかからないようにしたいし、かかったとしても軽くすませたい。
そして、彼らはこう考えました。
「天然痘は神様だ。なんとかもてなして早々にお帰りいただこう。」と。
そんな様子を詠んだのが次の歌です。
うたや さんしんに(歌や三線で)
うどぅい はに しちゅてぃ(踊ったり跳ねたりして)
ちゅらがさぬ うとぅじ(美しい疱瘡のお相手をして)
あすぃぶ うりしゃ(遊ぶのが嬉しい)
この歌の「ちゅらがさ(美ら瘡)」というのは天然痘の発疹やかさぶたのことです。
当然美しい訳はないのですが、天然痘の神様を喜ばせるための方便なのです。
今は医療も進歩していて、こんな考えをする人はいませんが、当時は必死です。
なので、こんな歌もあります。
さとぅざとぅに はやる(里々に流行っている)
うたまでぃん なまや(歌までも今は)
かるく ちゅらがさぬ(疱瘡が軽くなるようにと)
うにげ ことば(お願いする言葉ばかりだ)
病気の流行とともに各地で天然痘の歌が詠まれていたことがわかります。
琉歌全集にも今回の2首を含めて9首もあります。
すべてに「ちゅらがさ」とあり、天然痘の神様をもてなす言葉で飾られています。
病気の神様でさえももてなすところは、沖縄らしいところです。
さあ、今回のはしかの流行。
みなさんもお気をつけくださいね。
それでは、また。